フレミッシュ・ヴァージナル 　　

音域： AA - d'''

サイズ： 1520mmW x 482mmD x 202mmH

参考資料： 

Drawings by Edward R. Turner, 1977

モデル：Joannes Ruckers, 1629: The Brussels Museum of Musical Instruments # 2511
オリジナル楽器の音域は C/E から d'''であり、モダンピッチより長三度高く弦が張られていた､a'=554Hz、  (G. Grant O'Brien, 1977)。　この楽器はバロックピッチ(a'=415Hz)で最適な張弦応力となる様に弦長を長くし､最低音をAAとした｡　楽器のサイズもこれに合わせて調節している｡

イタリアン・ヴァージナル   

  
音域：HH - c'''

サイズ：1644mmW x 485mmD x 181mmH

参考資料： 
1. Denzil Wraightによる図面および解説
2. Inalian Harpsichord Building in the 16th and 17th Centuries by John D.Shortridge 

モデル：Marco Jadra, 1552 
モデルとなった楽器はOxfordのPitt-Rivers Museumに保存されている。イタリアン・ハープシコードと同じくこの種の楽器も通常アウターケースに入れられる。側版の厚みやフレームの構造等はイタリアン・ハープシコードと共通する所が多い。 

ハープシコードと同じく強度を増す目的で全周にわたって施されているモールディングのため、側板は実際の厚みほど薄くは見えない。ヴァージナルはイギリスで特に好まれ、この楽器のための音楽も多く作曲された。以下イタリアの楽器について言い当てているJohn D. Shortridgeの論文から引用する： 

"16世紀半ばから1700年の１５０年間,イタリアで作られたものにはほとんどその基本的な作りにおいて違いを見つける事は困難である。同時代にフレミッシュのメーカーは４フィートレジスタ、二段鍵盤、ナザールリュート、バフストップなどさまざまな新しい機能を付け加えていったのとは対照的に、イタリアの製作者たちはすでに完成の域に達している彼らのモデルに変更を加える事を好まなかった。"